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電気工事士の仕事内容とは?

2023-03-07

電気工事士は、ビルや工場、一般住宅などのさまざまな電気設備の安全を守るためになくてはならない存在です。
そんな電気工事士の仕事内容は一体どのようなものでしょうか。
ここでは、電気工事士の仕事の種類や具体的な内容をご紹介します。
第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いや将来性なども併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

電気工事士の仕事の種類と内容

電気工事士の仕事は、以下の2種類に分かれます。
それぞれどのような仕事をするのか詳しくご説明します。

 

建設電気工事

建設電気工事とは、建物の電気設備の設計や施工に関する工事全般を指します。
住宅や店舗などの身近な建物のほか、工場やビル、学校、病院、官公庁などあらゆる建物の電気設備の設置とメンテナンスを行います。
電気工事を行う建物の規模によって工事の進め方は異なりますが、一般住宅の場合であれば、建物工事を担当するグループと電気工事を担当するグループで並行して作業を行います。
大規模なオフィスビルであれば、現場に監督や責任者が配置されているので、電気工事士は責任者の判断を仰ぐ場面が生じることがあります。

建設電気工事の主な仕事は、以下の通りです。

  • ・屋内配線工事
  • ・外線配線工事
  • ・冷暖房設備工事
  • ・ビル管理

次に、それぞれの仕事内容についてご説明します。

屋内配線工事

屋内配線工事とは、建物の中で行う配線工事のことを指します。
全ての設備に電気が通るように、機器や照明などのスイッチとケーブルを正しく配線します。
例えば、ケーブルを張りめぐらせてコンセントや照明器具を取り付けたり、インターネットを使えるようにするためのLANケーブルに関する工事や、電話線に関する工事などもそれにあたります。
誤った配線をしてしまうと、電気が点かなかったり、切れてしまったりするなどのトラブルが起きてしまいますので、慎重で正確な作業が必要です。

外線配線工事

外線配線工事とは、電柱から店舗、家、工場などといった建物に電線をつなぐ工事のことを指します。
電柱を建てる、発電所から電柱までの電線をつなぐといった工事もそれにあたります。
屋内配線ができていても、外部から電力が供給されなければ意味がありませんので、日常で電気を使うためには必要不可欠な仕事です。

冷暖房設備工事

冷暖房設備工事とは、電源が入るようにケーブルを配線したり、使いやすい位置にコンセントを作ったりしてエアコンが使えるようにする工事のことを指します。
比較的小規模な電気工事なので、第二種電気工事士の資格を取得していれば、多くの現場で携わることができます。

ビル管理

ビル管理とは、ビルの電気設備を管理することを指します。 ビルには照明や通信設備などが多く設置されているので、点検をしたり、状態を見て修理したりする仕事が主です。

 

鉄道電気工事

鉄道電気工事とは、鉄道を安全に走らせるために行う工事全般を指します。
毎日たくさんの人が利用する電車は、少しでも不具合があると大きなトラブルになってしまいます。
そのため、鉄道電気工事を行うことができるのは、さまざまな厳しい条件をクリアした業者に限られています。

鉄道電気工事の主な仕事は、以下の通りです。

  • ・変電設備工事
  • ・線路工事
  • ・駅の電気設備点検・工事

次に、それぞれの仕事内容についてご説明します。

変電設備工事

電車やモノレールは、発電所から送られてくる電気を変電設備によって電圧を変えたものを使っています。
変電設備工事は、そういった変電に必要な変電所の設置工事や変電設備のメンテナンス・管理などを行います。
大型機器の取り付け、工事や回路、制御線工事、変電テストなどの工事行い、鉄道に電気を届けています。

線路工事

線路工事とは、鉄道に電気を供給するために架線工事や、安全運行を支える信号システム工事、踏切の照明工事のことなどを指します。
災害が起きてしまった場合に、設備や電線の復旧を行う重要な役割もあります。

駅の電気設備点検・工事

駅構内に設置された電光掲示板や改札、券売機、照明などの設置、点検を行います。
多くの人の移動手段を確保し、安心して利用できる環境を整える大切な役割です。

 

電気工事士第一種と第二種の作業範囲の違い

電気工事士資格には、第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があります。
作業範囲はそれぞれ異なるため、自分に合った資格を取得する必要があります。
それでは2つの作業範囲についてご説明します。

 

作業範囲の違い

第一種電気工事士
  • ・自家用電気工作物のうち最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事
  • ・一般用電気工作物の電気工事
  • ・自家用電気工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備であって、電圧600ボルト以下で使用する電気工作物の電気工事
  • ※産業保安監督部長による「認定電気工事従事者認定証」の交付が必要
第二種電気工事士
  • ・一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、電力会社から低圧(600ボルト以下)で受電する場所の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物の電気工)

第一種電気工事士は、工場やマンション・ビル・公共施設など幅広い電気設備の工事に携わることができます。
第一種電気工事士ができることは、第二種電気工事士ができることのすべてが含まれています。
また、特定の認定証を交付されれば、さらに作業範囲が広がるので、さまざまな場所で活躍できます。

第二種電気工事士は、600ボルト以下の一般住宅や店舗など、小規模施設の電気設備の工事に携わることができます。
身近な電気工事に従事したい場合には最適な資格ですが、規模の大きな工事に携わるなら、第一種電気工事士を目指すのが一般的です。

基本的には第二種電気工事士を取得して経験を積んだ後、第一種電気工事士を取得して、規模の大きな工事に従事するという流れです。
もちろん、第一種電気工事士から取得することも可能ですので、自分に合う方法でチャレンジしてみましょう。

 

未経験でも、電気工事士の仕事に就ける?

人々の生活には絶対に欠かせない電気を扱う電気工事士は、需要があり安定した仕事の一つです。
しかし、未経験でも電気工事士になれるのか不安な方も多いのではないでしょうか。
電気工事士資格は、実務経験や年齢、性別、学歴に関係なく受験することが可能です。
ですので、合格すれば誰でも電気工事士を名乗ることができます。
しかし、電気工事士の資格を取得したからといって、すぐに仕事ができるわけではありません。
未経験からスキルを身につけながら働ける会社もあるので、初心者でも歓迎してくれる会社を探しましょう。

 

電気工事士の仕事の将来性

 

電気工事士の仕事は無くならない

電気工事とは、電気を利用するために建物には欠かせない工事です。
私たちは暗い夜でも照明を点ければ明るくなり、さまざまな電気製品を利用して便利で快適な暮らしをしています。
そんな当たり前の暮らしを実現してくれているのが電気工事士なのです。

また、電気や通信は、日々目覚ましい進化を遂げており、AIや5Gなどさまざまな技術を実現させているのも電気です。
さらに、持続可能な社会の実現や地球温暖化などの観点から、再生可能エネルギーの需要が高まっています。
こうした理由から、これからも電気工事や運用などの技術を持った電気工事士の仕事はなくなることはないでしょう。

 

今後も活躍の場は広がる

電気工事士は電気がある限りなくならない仕事ですが、そんな電気工事士の人手不足が将来性に触れる上で重要な事柄になってきます。
少子高齢化や労働人口の減少、また、経験のある電気工事士が減少する可能性もあり、そういった観点から未経験者や初心者でも働けるチャンスが出てくるでしょう。

そのためにも、電気や通信などの新しい技術を知ったり、それに対応できるスキルを磨いたりするなどして、日々変化する世の中の需要に対応できるようにしましょう。

 

キャリアプラン

電気工事士はキャリアの幅が広いので、収入ややりがいなど重視するポイントに合わせて選ぶことができます。
同じ会社に長く勤めてキャリアアップしたり、条件の良い職場に転職したり、企業に勤めるだけではなく独立をするなどさまざまです。

キャリアを積んでいくと、現場で積んだ経験を活かして、工程管理や安全管理など現場を管理する役職に就く場合があります。
また、ボイラー技師や危険物などのさらなる資格取得でキャリアアップを目指すことも可能です。