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電気工事士第一種と第二種の「難易度・合格率」の違い

2023-03-07

電気工事士は、第一種電気工事士と第二種電気工事士に分かれています。
それぞれ別の試験が設けられていますが、どちらが合格しやすいか、皆様はご存じでしょうか?
ここでは、それぞれの試験の難易度や合格率、試験概要などを詳しくご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

電気工事士試験の難易度

電気工事士試験の難易度

電気工事士の試験は、例年合格率が公表されています。
毎年試験問題は異なるので一概にどちらが難しいとはいえませんが、それぞれの試験の合格率を知ることができます。

 

第一種電気工事士の合格率

まずは、第一種電気工事士試験の試験結果をご紹介します。
筆記試験の合格率です。

第一種電気工事士:筆記試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 37,247 21,686 58.2%
令和3年度 40,244 21,542 53.5%
令和2年度 30,520 15,876 52.0%
令和元年度 37,610 20,350 54.1%
平成30年度 36,048 14,598 40.5%
平成29年度 38,427 18,076 47.0%
平成28年度 39,013 19,627 50.3%
平成27年度 37,808 16,153 42.7%
平成26年度 38,776 16,649 42.9%
平成25年度 36,460 14,619 40.1%
平成24年度 35,080 14,927 42.6%
平成23年度 34,465 14,633 42.5%

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)

筆記試験の合格率は、過去10年で40~54%です。
過去問題を解いて入念な準備をしておきましょう。

続いて、技能試験の試験結果です。

 

第一種電気工事士:技能試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 26,578 16,672 62.7%
令和3年度 25,751 17,260 67.0%
令和2年度 21,162 13,558 64.1%
令和元年度 23,816 15,410 64.7%
平成30年度 19,815 12,434 62.8%
平成29年度 24,188 15,368 63.5%
平成28年度 23,677 14,602 61.7%
平成27年度 21,739 15,419 70.9%
平成26年度 19,645 11,404 58.1%
平成25年度 19,911 15,083 75.8%
平成24年度 16,988 10,218 60.1%
平成23年度 20,215 17,104 84.6%

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)

技能試験の合格率は、過去10年で58~84%と比較的高いです。
候補問題に慣れてしっかり準備を行っておけば、高い確率で合格できるでしょう。

 

第二種電気工事士の合格率

次は、第二種電気工事士試験の試験結果をご紹介します。
まずは、筆記試験の合格率です。

第二種電気工事士:筆記試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度(下期) 66,454 35,445 53.3%
令和4年度(上期) 78,634 45,734 58.1%
令和3年度(下期) 70,135 40,464 57.6%
令和3年度(上期) 86,418 52,176 60.4%
令和2年度(下期) 104,883 65,114 62.1%
令和2年度(上期) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため試験中止
令和元年度(下期) 47,200 27,599 58.5%
令和元年度(上期) 75,066 53,026 70.6%
平成30年度(下期) 49,188 25,497 51.8%
平成30年度(上期) 74,091 42,824 57.8%
平成29年度(下期) 40,733 22,655 55.6%
平成29年度(上期) 71,646 43,724 61.0%

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)

筆記試験の合格率は、過去10年で51~70%です。
例年5割は超えていますが、油断せずに入念な準備が必要です。

続いて、技能試験の試験結果です。

 

第二種電気工事士:技能試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度(下期) 44,101 31,117 70.5%
令和4年度(上期) 53,558 39,771 74.2%
令和3年度(下期) 51,833 36,843 71.0%
令和3年度(上期) 64,443 47,841 74.2%
令和2年度(下期) 66,113 48,202 72.9%
令和2年度(上期) 6,884 4,666 67.8%
令和元年度(下期) 41,680 25,935 62.2%
令和元年度(上期) 58,699 39,585 67.4%
平成30年度(下期) 39,786 25,791 64.8%
平成30年度(上期) 55,612 38,586 69.4%
平成29年度(下期) 25,696 16,282 63.4%
平成29年度(上期) 55,660 39,704 71.3%

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)

技能試験の合格率は、過去10年で62~74%です。
毎年6割以上の受験者が合格しているので、候補問題に慣れてしっかり準備を行っておけば、高い確率で合格できるでしょう。

 

第一種と第二種の難易度の違い

筆記試験 技能試験
第一種電気工事士 40~54% 58~84%
第二種電気工事士 51~70% 62~74%

筆記試験の合格率は第一種電気工事士の方が低く、技能試験の合格率は第二種電気工事士の方が低くなっています。
第一種電気工事士の筆記試験は、第二種よりも範囲が広く、応用知識も求められるので試験内容のレベルが高いです。

一方、技能試験の合格率が第二種電気工事士の方が低いのは、未経験者の受験が影響しているのかもしれません。
第一種電気工事士は第二種を取得してから受験する人が多いので、これまで培った実務経験やスキルを活かすことで合格率が上がっていると考えられます。

筆記試験の方が難易度は高い

第一種と第二種共通して、技能試験より筆記試験の方が合格率が低くなっています。 理由は、技能試験はあらかじめ候補問題が公表されるからです。 なので、事前に候補問題を一通り練習をしておけば合格の可能性が高くなるのです。

一方、筆記試験の問題は初めて見るものなので、過去問題だけでなく、最新の知識もしっかりと勉強をする必要があります。

 

初心者でも電気工事士試験に合格できる?

初心者でも電気工事士試験に合格できる?

第一種電気工事士と第二種電気工事士、どちらも合格率は比較的高いですが、初心者の方は合格できるか不安だと思います。

そんな初心者の方におすすめなのが第二種電気工事士です。 第二種電気工事士は、合格率が筆記試験約6割、技能試験約7割と、初心者でも合格を目指せる難易度です。 ここでは、初心者の方におすすめの勉強方法をご紹介します。

 

初心者におすすめの勉強方法

まずは暗記問題から勉強することをおすすめします。 覚えた知識がそのまま点数になるので、暗記できる知識はすべて覚えましょう。

暗記問題をクリアできたら、過去問題や問題集を使って、知識を用いて解く練習に取り組みます。
電気工事士試験は過去に出題された問題と類似した問題が多いとされているので、過去問題をしっかりと解いておけばある程度の点数は取れるはずです。
計算問題はとっつきにくいものですが、100点満点中60点を取れば良いので、理解しやすい分野の計算問題だけでもマスターしておくと合格に近づきます。
また、試験形式は4択のマークシートとなっているので、運が味方することもあるかもしれません。

 

電気工事士試験の概要

最後に電気工事士試験の概要を確認しましょう。
試験日程や試験科目などはそれぞれ異なるので、しっかり確認してください。

 

第一種電気工事士試験

試験実施日 例年10月
受験申込受付期間 例年6月中旬から7月初旬
受験手数料
  • ・インターネット:10,900円
  • ・郵便:11,300円
試験会場 全国
筆記試験科目
  • ・電気に関する基礎理論
  • ・配電理論及び配線設計
  • ・電気応用
  • ・電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
  • ・電気工事の施工方法
  • ・自家用電気工作物の検査方法
  • ・配線図
  • ・発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
  • ・一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令
技能試験
  • ・電線の接続
  • ・配線工事
  • ・電気応用
  • ・電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
  • ・電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  • ・コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  • ・接地工事
  • ・電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  • ・自家用電気工作物の検査
  • ・自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

※詳細は、一般財団法人電気技術者試験センターでご確認ください。

 

第二種電気工事士試験

試験実施日
  • ・上期:例年5月
  • ・下期:例年10月
受験申込受付期間
  • ・上期:例年3月中旬から4月初旬
  • ・下期:例年8月中旬から9月初旬
受験手数料
  • ・インターネット:9,300円
  • ・郵便:9,600円
試験会場 全国
筆記試験科目
  • ・電気に関する基礎理論
  • ・配電理論及び配線設計
  • ・電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  • ・電気工事の施工方法
  • ・一般用電気工作物の検査方法
  • ・配線図
  • ・一般用電気工作物の保安に関する法令
技能試験
  • ・電線の接続
  • ・配線工事
  • ・電気機器及び配線器具の設置
  • ・電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  • ・コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  • ・接地工事
  • ・電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  • ・一般用電気工作物の検査
  • ・一般用電気工作物の故障箇所の修理

※詳細は、一般財団法人電気技術者試験センターでご確認ください。