2025.12.20
電気工事会社の売上を伸ばすには?単価アップと新規取引先獲得の工夫
「受注件数はあるのに、思うように売上が伸びない…」
そんな課題を抱える電気工事会社は決して少なくありません。
売上を伸ばすためには、案件数だけに依存するのではなく、“工事単価の向上” と “新しい取引先の拡大” をセットで考えることが重要です。
売上は、【単価 × 件数 × 継続率】で決まります。単価が低く、取引先が固定化している状態では、どれだけ現場をこなしても売上には限界があります。
本記事では、電気工事会社が“持続的に売上を伸ばす”ために不可欠な、
- ・単価アップの仕組みづくり
- ・地元で選ばれる営業戦略
- ・継続案件・保守契約による売上の積み上げ
といった実践的な方法を、現場目線でわかりやすく解説します。
CONTENTS
電気工事会社が売上を伸ばすには?【利益構造を理解する】
売上を伸ばすために、まず押さえておきたいのが「自社の利益がどう生まれているのか」という点です。
「受注を増やせば売上が上がる」と考えがちですが、電気工事業では、必ずしも受注件数の増加が利益につながるとは限りません。
工事単価・人件費・材料費・外注費などのバランス次第で、売上が増えているのに、手元に残る利益が減ってしまうこともあります。
こうしたケースを避けるためにも、“まずは自社の利益構造を整理し、“見える化”することから始めましょう。
電気工事業の利益構造とは?
電気工事会社の利益は、大きく分けて「工事単価 × 施工件数」から、人件費・材料費・外注費などの原価を差し引いた結果として残ります
つまり重要なのは、どれだけ売上を作ったのかではなく、その売り上げに対して、どれだけ利益が残っているかという点です。
電気工事業では、次のような要因が利益に大きく影響します。
- • 人件費・外注費の増加による原価率の上昇
- • 材料価格の変動による粗利圧迫
- • 下請け比率の高さによる単価の限界
このような構造の中では、工事件数を増やすだけでは、売上が伸びても利益が残りにくくなります。
そのため、売上アップを目指す場合は、
①受注単価を見直す(付加価値を正しく伝える)
②利益率を改善する(原価・外注費を管理する)
といった視点で、「利益が残る構造」に目を向けることが重要です。
売上アップが難しい電気工事会社の共通点
売上が伸び悩んでいる電気工事会社には、利益が残りにくい行動や体制が共通して見られます。
特に多いのが、次のような状態です。
- 見積単価の根拠が曖昧(属人的で価格の理由を説明できていない)
- 営業経路が固定化している(特定の元請け1社への依存、紹介頼みになっている)
- 原価把握が不十分(材料費・外注費を案件ごとに追えていない)
- 人材採用にコストが偏よっている(人を増やすせば売上が伸びると考えてしまっている)
特に中小の電気工事会社では、「人を採用すれば受注が増える」と考えがちです。
しかし、生産性や受注単価が変わらないまま人員を増やしても、売り上げは増えても利益率が下がるケースが少なくありません。
ここで重要なのは「仕事量」を増やすことではなく、「どんな仕事を、どんな条件で受けるか」を見直すことです。
仕事の質と単価を上げる方向にシフトできるかどうかが、売上を伸ばせる会社と、伸び悩む会社の分かれ道となります。
単価アップの方法とは?|価格競争から脱却するための工夫
価格で比較される案件が増え、「安さ」が決め手の受注が続くと、どうしても単価は下がっていきます。
しかし、受注単価を下げて件数を増やしても、利益率が改善しなければ経営は安定しません。
単価アップとは、単純な「値上げ」ではなく、適正な金額で“選ばれる理由”をつくることです。
ここでは、付加価値の伝え方や元請け化の考え方など、価格競争から抜け出す実践的な方法を紹介します。
価格で比較されない見積り・説明の考え方
価格競争を避けるために最もの重要なのは、「なぜこの金額なのか」をお客様に納得してもらうことです。
同じ10万円の工事でも、その内容やリスク、施工後の安心感まで説明できる会社ほど、価格ではなく”理由”で選ばれています。
▶ 見積り・提案書で信頼を得る3つの工夫
1. 材料・工法・保証を明記する
→「○○メーカー製」「耐用年数」「保証年数」などを具体的に記載することで、工事内容と価格の関係がわかりやすくなり、安心感につながります。
2. 写真・図解で施工内容を伝える
→Before/Afterの写真や、簡単な図解を入れることで、専門知識がない相手にも、工事の内容や違いが伝わりやすくなります。
3. “価格以外の価値”を言葉にする
→「安全書類の徹底」「アフター対応」「緊急時の対応体制」など、価格表には出にくい価値を文章で細くすることで、他社との違いを明確にできます。
受注単価を上げるための「元請け・直請け」へのステップアップ
受注単価を抜本的に改善するうえで、最も効果が大きいのが「元請け化」や「直請け案件の拡大」です。
下請けの立場では、工事内容や手間にかかわらず、価格を決めることができません。
一方で、元請け・直請けになれば、工事の価格を自社で説明し、価格を設計する側に回れます。
▶ 元請け・直請けにステップアップするための3ステップ
1. 信用を”見える形”に整える
→ 建設業許可・電気工事業登録・ISO・施工実績などを整理し、取引先に提示できる体制をつくります。
2. 地域ゼネコン・法人への営業を始める
→ 価格ではなく、施工管理力や安全対策など、「信頼」を軸にした営業スタイルを意識します。
3. 紹介・同業ネットワークの活用
→ 既存の取引先や協力会社からの紹介、業界団体・協力会への参加を通じて、元請けとの接点を強化していきます。
新規取引先を獲得するには?地元で信頼される営業戦略
単価アップによって1件あたりの売上を高めることができても、取引先が固定化したままでは、売上の伸びには限界があります。
そこで次に重要になるのが、新しい取引先を安定的に増やしていくための営業の考え方です。
「営業が得意ではない」「紹介頼みで、その後が広がらない」と感じている電気工事会社は少なくありませんが、電気工事業における営業は、強く売り込むことが目的ではありません。
営業を個人の感覚に任せるのではなく、流れとして整理し、仕組み化することで無理なく新しい取引先との接点を増やすことができます。
ここからは、地域で信頼を積み上げながら新規取引先を獲得していくための、具体的な営業の進め方を見ていきましょう。
営業活動を仕組み化する(紹介→訪問→提案)
営業を成功させるポイントは、「偶然の紹介」に頼るのではなく、受注につながる流れを「再現できる仕組み」に整えることです。
新規取引は、いきなり契約に至るものではありません。信頼の積み重ねながら、紹介→訪問→提案というプロセスを意識的につくっていくことがポイントです。
▶ 営業活動を仕組み化する3ステップ
1. 紹介を「自然発生」ではなく、意図的に生み出す
新規案件のきっかけは、既存顧客や協力会社、材料商社など、すでに信頼関係がある相手から生まれるケースがほとんどです。
重要なのは、「たまたまあった紹介」ではなく、紹介を前提とした関係づくりを行うことです。
<具体的なアクション>
– 既存顧客・協力業者・材料商社に対し、定期的に近況報告を行う
-「新しい現場があれば声をかけてほしい」と、目的を明確に伝える
-3か月に1回など、無理のない頻度で接点を持ち続ける
2. 訪問を「名刺交換」で終わらせない
紹介を受けて訪問できたとしても、その場が単なる顔合わせで終わってしまうと、次にはつながりません。
訪問の目的は、相手の課題を把握し、記録として残すことです。
<具体的なアクション>
– 工事の困りごと(納期・品質・人手・安全面)をヒアリングする
– 担当者との会話内容を社内で共有できる形に残す
– 「次に何を提案できるか」をチームで整理する
3. 提案を“価格比較されない内容”にする
見積りを出した瞬間に価格だけで比較されると、単価アップは難しくなります。
そのため、提案段階では「なぜこの金額なのか」が伝わる情報をセットで提示することが重要です。価格以外の判断材料を増やすことで、単価だけの比較から抜け出しやすくなります。
<具体的なアクション>
– 見積書に施工品質・安全管理・保証内容を明記する
– 写真や簡単な図解で施工内容を補足する
– 「安心して任せられる理由」を文章で伝える
営業を強化できる社内体制を整える(実践編)
営業力を高めるために、必ずしも「営業担当を増やす」必要はありません。
重要なのは、現場を含めた社内全体が、営業につながる動きを取れる状態をつくることです。
電気工事業では、現場でのやり取りや日常の対応そのものが、次の受注につながるケースも少なくありません。だからこそ、営業を個人の役割に閉じず、社内で共有・連携できる体制を整えることが重要です。
▶ 即実践できる3つの体制づくりのポイント
1. 顧客・案件情報を個人管理にしない
誰が・いつ・どの取引先と接点を持ったのかを、社内で把握できる状態にしておくことが基本です。
<具体的なアクション>
-GoogleスプレッドシートやクラウドCRMで訪問履歴・案件情報を共有
-担当者が変わっても対応できる状態をつくる
-営業活動の属人化を防ぎ、引き継ぎをスムーズにする
2. 現場から「営業のタネ」が上がってくる仕組みを作る
現場で働く職人や現場代理人は、顧客と最も近い立場にいます。
現場の気づきを活かせるかどうかが、営業力の差につながります。
<具体的なアクション>
-現場で聞いた困りごと・相談内容を社内に共有する仕組みを整備
-「紹介につながりそうな話」を簡単に報告できるルールを設ける
-現場発信で受注につながった事例を社内で共有する
3. 会社の強みを営業資料として整理する
営業活動を仕組み化するうえで、会社として「何を強みとして伝えるのか」をあらかじめ整理し、誰が説明しても同じ内容が伝わる状態をつくることも重要です。
<具体的なアクション>
-得意な工事内容・対応エリア・実績を整理する
-施工品質や安全対応など、選ばれる理由を言語化する
-見積書・提案書・会社説明資料で一貫して伝える
継続案件を増やすには?リピート・保守契約で安定収益化
単価アップや新規取引先の獲得に取り組んでも、単発の工事が中心のままでは、売上は安定しません。
そこで重要になるのが、リピート案件や保守契約によって、継続的に売上を積み上げる仕組みです。
ここでは、点検・保守契約を仕組み化する考え方と、継続受注につなげるための社内体制づくりを解説します。
点検契約・保守契約を仕組みとして定着させる
保守契約は、単なる追加工事ではありません。
一度築いた信頼関係を、継続的な売り上げとして積み上げていくための仕組みです。
点検やメンテナンスを定期化できれば、顧客との接点が増え、他社へ切り替えられるリスクも自然と下がります。
重要なのは、「やれたらやる保守」ではなく、誰が対応しても同じ運用ができる形に整えることです。
▶ 保守契約を仕組み化する3ステップ
1. 契約内容をあらかじめ整理しておく
まず必要なのは、保守契約で「何を、どこまで行うのか」を明確にすることです。
契約内容を整理しておくことで、説明のブレがなくなり、契約につながりやすくなります。
<具体的なアクション>
– 点検頻度・点検範囲・緊急対応の有無を事前に定義する
– 月額/年額などの定額モデルを設定し、価格を分かりやすくする
2. 定期点検のスケジュールを可視化する
保守契約が形骸化する原因の多くは、「誰が、いつ対応するのか」が曖昧なことです。
次のようなアクションにより、属人化を防ぎ、対応もれをなくすことができます。
<具体的なアクション>
– 点検日・担当者・対象設備を明確にする
– 担当者が変わっても対応できる状態をつくる
3. 点検後の報告と次の提案をセットにする
点検は、実施して終わりではありません。報告 → 信頼 → 次の受注、という流れを自然に作ることが重要です。
<具体的なアクション>
– 点検内容を写真付きで簡単に共有する
– 改善点や注意点を文章で補足する
-「次回点検」「追加提案」までを一連の流れに組み込む
リピート契約を生む社内体制を整える
継続案件を増やすためには、営業だけが尽力する体制では限界があります。
重要なのは、保守・施工・事務が連携し、一度工事をした顧客に対して自然に再提案できる状態を社内につくることです。
▶ 実践できる社内体制づくり3ステップ
1. 顧客情報を「次の提案」に使える形で管理する
リピート受注が生まれない原因の多くは、過去の工事情報が活かされていないことです。
<具体的なアクション>
– 工事履歴・点検日・担当者を一元管理する(例:Googleスプレッドシートや クラウドCRM)
– 設備の使用年数や前回工事日をもとに、点検・更新時期を把握する
– 「点検時期アラート」を設定し、提案の抜け漏れを防ぐ
2. 点検担当者と営業担当を分業化する
点検と営業を同じ担当者が兼ねると、提案が後回しになりがちです。
<具体的なアクション>
– 点検担当者は現場確認と報告に集中する
– 営業担当者は改善提案・契約対応を担当する
– 役割を分けることで、提案スピードと成約率を両立する仕組みに
3. 顧客フォローを「個人任せ」にしない
リピート契約は、思い出したときに連絡するものではありません。
点検時期や設備更新のタイミングに合わせて、あらかじめ社内で動く仕組みをつくっておくことで、自然に再提案ができるようになります。
<具体的なアクション>
– 月1回など定期的にフォロー対象リストを確認
– 「〇年経過の顧客にLED更新提案」など、提案内容を定型化
– 誰が見ても動ける状態にして、対応漏れを防ぐ
売上を伸ばす電気工事会社が、最後に整えているもの
ここまで、電気工事会社が売上を伸ばすために必要な考え方として、
・単価を上げるための工夫
・新規取引先を増やす営業の仕組み
・リピート・保守契約による安定収益化
について解説してきました。
これらを実行し、継続させていくうえで欠かせないのが、現場・営業・事務を支える「人」の存在です。
単価アップも、取引先との信頼構築も、リピート契約の積み上げも、最終的に実行するのは現場で動く社員一人ひとりです。
仕組みを回し続けるためには、人材への投資が欠かせない
どれだけ良い仕組みを整えても、それを回す人材が定着しなければ、売上は安定しません。
だからこそ、売り上げを伸ばし続けている電気工事会社ほど、採用と育成に早い段階から取り組んでいます。
採用は「人手不足を埋めるもの」ではなく、信頼を積み上げ、売上を伸ばし続けるための経営投資と言えます。
電工ナビを活用して「信頼を生み出す採用」を実現しよう
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• 採用で整理した強みや実績を、そのまま営業・信頼づくりにも活用できる
このように、採用活動そのものが、企業ブランディングや取引先からの信頼向上につながる設計となっています。
「売上を伸ばしたいが、人の問題で頭打ちになっている」
「採用から、会社の土台を整え直したい」
そう感じている方は、まずは電工ナビの活用をご検討ください。


【情報提供元】
TEAM株式会社