コラム

COLUMN

HOME /コラム/電気工事士の新人教育を現場任せにしない!育成マニュアルの作り方【未経験定着・離職防止のコツ】

2025.10.22

電気工事士の新人教育を現場任せにしない!育成マニュアルの作り方【未経験定着・離職防止のコツ】

「新人の電気工事士がすぐに辞めてしまう」

「教育が現場任せでバラつきが大きい」

最近では、こうした悩みを抱える電気工事会社は少なくありません。

厚生労働省の調査(※1)によれば、建設業の高卒就職者は3年以内に約4割が離職しており、教育体制の未整備はその大きな要因の一つとされています。

本記事では、育成マニュアルを整備することで教育の属人化を防ぎ、未経験者の定着率を高めるため、の5つのステップを解説します。

ベテランメンバーの負担軽減にもつながりますので、明日から取り組めるヒントとしてぜひ参考にしてください。

(※)1.厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00007.html

 

なぜ電気工事士の育成マニュアルが必要なのか

「マニュアルがなくても、これまでたくさんの電気工事士を育ててきた」このように考えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

確かに、かつては現場で先輩の背中を見ながら覚え、経験を重ねて一人前になるのが一般的でした。

 

未経験者がすぐ辞めてしまう理由とは?

しかし、現在は状況が大きく変わっています。若手メンバーの多くは「教えてもらえない環境」に不安を感じやすく、短期間で辞めてしまうケースも珍しくありません。

その背景にあるのが「教育の属人化」です。現場任せの指導では教える人によって内容がバラバラになりやすく、新人は「自分だけできていないのでは」と孤独感を抱いてしまいます。結果として、定着せずに早期離職へとつながってしまうのです。

 

「背中を見て覚えろ」教育の限界とは?

さらに、従来の「背中を見て覚えろ」という教育手法も、技能継承が難しい現在の職場環境では限界を迎えています。

厚生労働省も「OJT中心だけでは技能継承が難しい」と指摘(※2)しており、標準化された教育手法の導入が不可欠だとされています。

こうした状況を解決できる取り組みのひとつが、育成マニュアルの整備です。

マニュアルがあれば、誰が指導しても一定水準で教育が行え、新人は「この手順に沿えば大丈夫」という安心感を持ちながらスキルを身につけられます。その結果、離職率の低下だけでなく、早期戦力化にもつながります。

(※)2. 厚生労働省「人材による成長を導くために」

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/05/h0530-3b.html

 

電気工事士の育成マニュアル作成(5ステップ)

現場教育の属人化や「背中を見て覚えろ」方式の限界を乗り越えるには、実際マニュアルを形にしていくことが大切です。とはいえ、ゼロから作ろうとすると「何から手をつければいいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

ここでは、新人教育を効率化しつつ現場に定着させやすい「育成マニュアル作成の5ステップ」をご紹介します。順を追って進めば、自社に合った実践的なマニュアルを整備できます。

 

STEP1:現場作業を分解する

最初のステップは、日墓の現場作業を細かい工程に分けることです。漠然と「配線工事」とまとめてしまうのではなく、作業をできるだけ小さな単位に切り分けましょう。

たとえば、配線工事であれば、次のように整理できます。

①工具準備→②安全確認→③配線固定→④通電確認

このように工程を分解すると、工程ごとに「必要な知識や技能」「注意すべきポイント」を 明確に書き出すことが可能になります。

結果として、チェックリストや教育マニュアルの骨格ができあがり、指導する側も受ける側も同じ基準で作業を進められるようになります。

 

STEP2:チェックリストと手順書に落とし込む

分解した作業工程を、そのまま現場で共有できるマニュアルにまとめます。

この段階で大切なのは、難しい図解や専門用語ではなく、誰でも同じ順番で確認できる共通の基準を作ることです。初めから丁寧に作る必要はなく、自分の言葉で、文章にしたもので十分です。

ただ、「工具の準備が完了しているか」「安全確認を行ったか」など、工程ごとに必須の確認項目を書くことを欠かさないようにしましょう。

STEP1のチェックリストとSTEP2のマニュアルを作成することで、作業の抜け漏れを防ぎつつ、指導担当者が「共通の言葉・視点」で話せるようになります。

 

STEP3:写真・図解で理解を補強する

文章だけでは伝わりにくい内容は、必ず写真や図解を活用して補足しましょう。特に、感覚的に理解しづらい「危険箇所」や「よくある失敗例」は、文字だけで説明しても新人にはなかなかイメージがつかめません。

たとえば、配線を固定する位置が数センチずれるだけで不具合につながるケースや、工具の持ち方を誤ってけがをしてしまう場面などは、実際の写真や図解で示すことで、一目で理解できるようになります。

さらに「良い例」と「悪い例」を並べて対比すると、新人は正しい手順をより鮮明にイメージでき、同じ失敗を防ぎやすくなります。

こうした視覚的な要素は理解度を高めるだけでなく、安全教育にも直結します。結果として、現場での事故防止や作業精度の向上にもつながります。

 

STEP4:習得レベルを明記して新人が迷わないようにする

マニュアルを効果的にするには、単に手順を並べるだけでなく「どの段階で何ができるようになれば合格か」を明記することが重要です。

これが曖昧だと、新人は「どこまでできれば一人前なのか」分からず、不安を抱いたまま作業を続けてしまいます。

例えば「第1週=安全確認を一人で行える」「第2週=基本的な工具を正しく使用できる」「第3週=図面を読み取り、作業に反映できる」といった形で、習得レベルを段階ごとにマニュアルに書き込みましょう。

さらに「誤差〇mm以内」「所要時間〇分以内」といった基準を加えると、指導者が誰でも同じ評価を下せるようになります。

このようにマニュアルに習得レベルを組み込むことで、新人は成長の道筋をイメージしやすくなり、安心して学べます。結果的に教育のばらつきが減り、定着や離職防止にもつながります。

 

STEP5:教育カリキュラムと進捗管理をマニュアルに組み込む

マニュアルは作って終わりではなく、日々の教育にどう落とし込むかが重要です。現場で実務に活用するには、マニュアルをもとに「教育カリキュラム」と「進捗管理シート」をセットで用意しましょう。

例えば、週単位・月単位で「どの作業を学ぶのか」「どの基準をクリアするのか」をカリキュラム化し、それを新人ごとにチェックしていく仕組みを作ります。進捗が見える形になれば、指導者は「誰がどこでつまずいているのか」をすぐに把握でき、適切なフォローが可能になります。

また、新人本人にとっても「自分がどこまでできるようになったか」を可視化され、成長実感につながります。これはモチベーションの維持、ひいては早期離職の防止に直結します。

つまりSTEP5では、マニュアルを単なる手順書で終わらせず、教育の進め方や記録方法まで一体化させることがポイントです。こうすることで、マニュアルが現場に根付き、継続的に活用される仕組みが完成します。

 

育成マニュアル作成でよくある質問

ここでは、電気工事の育成マニュアルを作成する方が抱きがちな質問に回答していきます。

 

Q1.どの作業からマニュアル化すればいいですか?

すべての業務を一度にマニュアル化しようとすると負担が大きく、途中で挫折しがちです。 まずは「新人が最初につまずきやすい作業」や「安全に直結する作業」から優先的に整理しましょう。例えば、工具の基本操作や安全確認手順などが最初の対象に向いています。

 

Q2.マニュアルは文章だけで十分ですか?

文章だけでは理解しづらい箇所が多いため、写真や図解を組み合わせるのが効果的です。特に「危険箇所」や「作業の良い例・悪い例」は、視覚的に見せた方が新人の理解が早まり、安全教育にも直結します。とはいえ、いきなり完成を目指すのは厳しいため、まずは文章のマニュアル化を完成させましょう。

 

Q3. 作ったマニュアルはどれくらいで更新すればいいですか?

現場の作業手順や使う工具は時代や現場環境によって変わることがあります。そのため、マニュアルは作成して終わりではなく、少なくとも年に1回は内容を見直し、現場の声を反映させることが大切です。更新を怠ると、せっかくのマニュアルが形骸化してしまいます。

 

未経験者を定着させるには「採用の仕組み」も重要です

ここまで、電気工事士の育成マニュアルの効果や作成方法について詳しく解説してきました。

せっかく新人を採用しても、マニュアルなど教育体制が整っていなければすぐに辞めてしまい、人材不足は解消できません。だからこそ「採用」と「教育」は切り離せない関係にあります。

電気業界特化の求人サイト・電工ナビでは、採用活動の改善に役立つ「電気工事士採用成功報酬のための5STEP」を無料で公開しています。

未経験者の教育マニュアルづくりとあわせて、採用面からも定着率を高めたい方はぜひご覧ください。

電気工事士採用 成功のための5STEP  https://team-totalpartner.com/denko-navi/download-09/

一覧に戻る