電気工事会社の求人広告に応募が来ない原因とは？改善すべきポイントを徹底解説

電気工事会社の採用でよく聞かれる悩みが「求人広告を出しても応募が来ない」というものです。

本記事では、応募が来ない3つの原因と改善すべきポイントを、厚労省データ(※)・電工ナビの知見を交えて解説します。さらに「未経験者に応募してもらうには？」「求人広告に載せるべき写真は？」といった質問にも答えていきます。

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CONTENTS

電気工事会社の求人広告に応募が来ない原因とは？

まずは、電気工事会社の求人広告に応募が集まらない原因について、厚労省データや採用現場の声をもとに、整理していきます。

厚労省データで見る電気工事業界の人材不足

厚生労働省が毎月公表している「一般職業紹介状況」（※）によると、建設業の有効求人倍率は直近で4.81倍、電気工事従事者も3.28倍と、全産業平均（1.35倍前後）の約2～3倍に達しています。これは「応募者1人に対して3～5件の求人がある」状態を意味し、求職者が複数の選択肢から応募先を選びやすい状況です。

つまり、電気工事会社にとっては「求人広告を出せば応募が来る」という従来の発想が通用しなくなっているのです。ここを理解せずにこれまでと同じ求人広告を使い続けると、応募が減るのは当然の流れといえます。

（※）厚生労働省「一般職業紹介状況（2025年4月分）」

・報道発表ページ：https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58118.html

・参考統計表（PDF）：https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001491314.pdf 　

– 参考統計表7-1（産業別）：建設業 4.81倍　- 参考統計表8-1（職業別）：電気工事従事者 3.28倍

仕事内容や条件が伝わらないことが最大の壁

求職者は「自分に合う会社かどうか」を求人広告から判断します。

仕事内容が「電気工事全般」といった抽象的な表現だけでは、仕事のイメージが湧かず応募に踏み切れません。

たとえば「マンション新築工事の配線」「工場の受変電設備工事」「商業施設のLED更新工事」など、具体的な施工内容を記載することで、求職者は自分の経験や希望と照らし合わせやすくなります。

さらに、給与や年間休日、資格取得支援の有無といった条件も明示することで「安心して応募できる」と感じてもらえます。

逆にこの情報が不足していると「ブラックかもしれない」と疑念を抱かせてしまい、応募をためらわせる大きな要因となります。

求人媒体やターゲット設定のミスマッチ

どれほど良い求人内容でも、媒体の選び方を間違えると応募は集まりません。

例えば、施工管理経験者を採用したいのに、未経験者向けのアルバイト系媒体に出稿してもミスマッチが起きてしまいます。

また「未経験歓迎」と「経験者優遇」を同じ原稿に盛り込み、どちらにも響かない表現になるケースも少なくありません。

ターゲットを明確化し、「未経験者なら教育体制を強調」「経験者なら待遇・キャリアアップを強調」といったように、求める人材像に合わせて媒体を選んだり、求人広告を出し分けることが、応募効果を最大化する近道です。

業界全体に広がる人材不足という背景

電気工事業界は、少子高齢化や若年層の建設離れにより、恒常的な人材不足に直面しています。特に第二種電気工事士の受験者数は年々減少傾向にあり、将来的に「人材の奪い合い」がさらに激しくなることが予測されています。

この構造的な課題の中で「求人広告を出せば勝手に応募が来る」という期待は非現実的です。だからこそ、各社は「待遇改善」や「教育制度の充実」だけでなく、自社の魅力を丁寧に発信する姿勢が求められています。

応募が来ないのは企業個別の問題だけでなく、業界全体のトレンドでもあると理解することが第一歩です。

求人広告で改善すべき3つのポイント

電気工事会社の求人広告では、特に「仕事内容の書き方」「写真の活用」「条件の見直し」の3点を押さえることが応募率改善のカギになります。

改善ポイント１：仕事内容・キャリアパスを具体的に書く

求人広告を見ている求職者は「この会社に入ったら自分はどんな仕事をするのか」「将来的にどう成長できるのか」を一番知りたがっています。単に「電気工事全般」と書くだけでは応募にはつながりません。

例えば「入社1年目は先輩と一緒に配線工事を担当」「3年目以降は現場を任され、将来は施工管理や幹部候補へ」といったキャリアパスの道筋を具体的に示すことが重要です。

こうした情報を盛り込むことで、未経験者には安心感を、経験者には将来像を描かせ、応募意欲を高める効果があります。

改善ポイント２：「安全性」と「チームワーク」を写真で伝える

文字だけでは伝わりにくい職場の雰囲気も、写真を活用することで伝わりやすくなります。

特に電気工事は安全が第一の仕事です。ヘルメット着用や安全対策をしている現場写真、社員同士が協力して作業している様子、仕事終わりに笑顔で集合写真を撮っている場面などは、求職者に「安心して働けそう」「人間関係が良さそう」という印象を与えます。

写真は“社風の証拠”になるため、文字よりも強い説得力を持ちます。可能であれば複数枚を掲載し、会社のリアルな姿を表現することが大切です。

改善ポイント３：条件・待遇の見直しをどう行うか

求職者の応募を左右する大きな要素は、やはり給与・休日・福利厚生です。厚労省データ(※)や同業他社の相場を踏まえて、自社の条件が市場と比べてどうなのかを定期的に見直すことが必要です。例えば「残業月10時間程度」「年間休日120日」「資格取得費用は会社全額負担」といった情報は、求職者にとって非常に魅力的な判断材料になります。

また曖昧な表現を避け、「年収例」「昇給実績」など数字で示すことが応募意欲を高めるポイントです。他社との比較優位を整理し、自社ならではの魅力を前面に打ち出しましょう。

(※)厚労省データ

① 賃金：賃金構造基本統計調査（厚生労働省／調査トップ） https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

② 残業（所定外労働時間）：毎月勤労統計調査（厚生労働省／調査トップ） https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html

③ 休日・年休：就労条件総合調査（厚生労働省／調査トップ）

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/11-23.html